混濁する青
まどろむ海月







寒さよりもしみとおる孤独に
大地は沈黙している

屹立する枯れた木は
信じる力を失い
他人の顔をした
春の訪れを恐れている

蟻の巣は崩壊し
土竜もぐらは朝 死んだ

死の眼前に水たまりは
虚ろな青を映している



 凍える風は吹いても
 雪さえ降らない
 荒涼とした季節

 君の気配が感じられない
 初めての冬



 蒼いかげりが空から降りてきて
 振り返った君は
 さみしそうにほほ笑む
 そんな妄想だけが
 微かに暖かい




 青も白と灰に
 混濁してきた















自由詩 混濁する青 Copyright まどろむ海月 2009-01-10 21:10:31
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