ヨルノテガムに会いに行く
ヨルノテガム
苦しみながら
大きな機械装置を操りながら
空輸、車輪の軋みを、摩擦、すべり転び、回り
駆け足、首締め おっちょこちょいちょい、しながら
白い息が雪の匂いを切望、もういちど
最初から景色を変えて
機械装置を操りながら
空、回転、揺れ、アキレス腱、窮屈な
斜めを蠢き泡吹きながら
雪 お持ちしましたけど、だから
なんで両手一杯の、それ、ぶつけるならハンコとか
言わないでって、雪が、駆け足が、年に一回か二回の
ぐらいの頻度で必ず あなたに会える雪の、
もうそこはあなたしか居ないお伽話の、さくさく
ギュウギュウと踏みしめる足形が、
空が僕たちを埋めにかかった
もっと近づいて空が不安という真っ白な贈りもの
凍死した機械とコンセント、車券は11とありえない
賑やかな白い彗星ばかりの横すべり
長靴の中にヨルノテガムが隠れている
主君の仇だと突き刺す雪だるま
血気は幻と向かい合っていく
この宝物の中で手管を伸ばし、この周り世界のある土地が
ヨルノテガムに見つめ続けられたがっている
住宅街の概観とシステムが一人の男に目撃され
呼吸を分かち合いたがっている
秋、冬、あなたの髪にふれたい季節です
建物の入れ替わり、電飾のある店家は増えたね、
電柱をなぎ倒しただけの早朝の事故、カラスたちの飢餓、
野良猫たちの怯え、帰る小学生たちの叫び声がする時間帯、
街は郵便ポストの窓を広げて覗き見、ヨルノテガムからの手紙を
待ちわびている
根拠と意味なんて、もっと複雑に 複雑に?
視界は年に一度か二度の降雪をまとい
ひとり歩きたがっている
手を繋ぐ彼ら
手を繋がない彼ら
人形たちの手を絡めあう彼ら
人形たちの手を引きちぎる彼ら
咆哮するチンポ
言い換えるなら性衝動
気持ち悪くならない前に神話を
苦しみの前後に
策略の予習と意志の機会と、を
視界は年に一度か二度の降雪をまとい
ひとり歩きたがっている、祭り。