失った物
光井 新
絡めた指先を離れない
伸ばしたり縮めたり
輪ゴム
楽しかった四時間
無駄に過ごしたなんて思いたくない
気持ち、若かったから
きっと何かしらの意味があった
そう思いたい
たぶんこれからいいところだったのに
夢中になってたら
どっか跳んでった
輪ゴム
指先が寂しくなって
急に老けた
強がりじゃないけど
大切だと思い込んでいただけだったのかもしれない
輪ゴムと過ごした四時間は
気持ち、若かったから
もう、どうでもいいや
自由詩
失った物
Copyright
光井 新
2009-01-02 18:18:09
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