さようなら
AKiHiCo
沢山の「さようなら」を蒔きましょう
いつの日か再び御縁が在ったら
笑顔で御迎え致します
愛しています愛して愛して
自分よりも愛しくて(断言、)
振り向かず前を見て下さい
私の事を思い出さないで下さい
思い出は出来るだけ捨てて下さい
自身を憎まないで下さい
私の「さようなら」を貴方に捧げます
この道程の中で最も愛しい貴方との
契りの糸をそっと切ろうと思います
其れは風に乗り舞い上がって
蒼穹へ消えてしまうのでしょう
見えなくなっても名残惜しそうに
見つめて音も無く
私は「さようなら」の涙の味
唇から舌に沁み込んで
嗚咽は聞かないで下さい
そっと扉を閉じるでしょう
「さようなら」と共に過ごした部屋に(愛しさが溢れ)
貴方が似合うと贈ってくれたアクセサリィ
今更、身に付けても輝いてくれるのでしょうか
「さようなら」と曹達水を湛えた洋杯に
ぽとりと落として泡を纏った其れ。
どうして私達は出逢ったのでしょう
どうして別れを告げなくてはならないのでしょう
何処で私は路を間違えてしまったのでしょう
こんなにも深く愛していると
謂うのに、です
貴方は誰も憎まず微笑んでいて下さい
何時までも優しい貴方のままで。
風はまだ冷たいけれど
此れ位が丁度いいでしょう
どうしようも無くなった私を
どうぞ叱ってやって下さい
「さようなら」を。
靴を脱いで揃えましょう
「さようなら」を。
美しい光を待つ宵の頃
翼も無いのに空を飛ぶ夢を見るでしょう
覚める事の無い永遠の眠り
本当に愛していました、本当に
「それでは、さようなら」
深呼吸をして涙を拭わなければ。
この意識の後に咲くのは牡丹でしょうか、