私が私であるために
涙(ルイ)
躰中のやりきれなさを振り起こして
もう 誰も私を止められない
誰も私を縛りつけない
私は あなたじゃない
私自身に変わっていく
理性で抑し殺して生きるのはとっても窮屈だわ
頭でっかちに出した答えなんて
どうせ大したもんじゃないんだし
それよりも いま動き出したくてうずうずしている
この感情だけに素直になればいいわ
だって私は自由
いつだって自由が許されているんだから
同級生だからって ともだちなんかじゃなかった
彼女たちはただ 私を笑うだけだったわ
先生たちにも嫌われてたの
学校はいつも 私に冷たかったのよ
それくらいのことで騒いでいたら
心がいくつ潰れたって足りやしないわ
とうさんもかあさんも
私が生まれたことを
ちっとも喜んでくれなかったんだから
誰もかれもみんな自分のことばっかりよ
相手を思いやるなんて
そんな余裕は あの家にはなかったわ
緊張状態から解放されるために
それ以上の悲しみが侵入しないように
心を凍らすことでしか
自分を守れなかったの
過去はいつだって私を捉えて離さない
夢ゆめうなされて目を覚ませばひとりきりで
夜は思ったよりも長いってことを
これでもかってくらい思い知らされたわ
自分を嫌いになったこともあったわ
受け入れられない自分なんかいらないって
やけっぱちになったことだって
でも それじゃ何も変わらないのよ
過去を呪ったって 悲しみを嘆いたって
そいつらが私を許してくれるわけじゃない
いつだって責めてばっかりで
飲み込まれたら卑屈になるばかりよ
自分を解放してあげられるのは結局
自分自身だってこと
それだけがゆるぎない真実なのよ
孤独だからって 淋しいっていうのとは
わけが違うのよ
淋しいのは 人と人との間に距離を感じることよ
私の思ってることがあなたに伝わらない
あなたの傷みが 私には解らない
そういうのって泣きたくなるわ
あなたはそれを知らなすぎよ
幸福な人ね 私そういうの うらやましい
躰中のやりきれなさを振り起こして
もう 誰も私を止められない
誰も私を縛りつけない
私は あなたじゃない
私自身に変わっていく