狂愛マーメイド
愛心

赤い唇 乱れた吐息
離れないで まだ淋しいから
色づいた頬 潤ませた瞳
動けなくなる 今が狂おしい
愛しい傷跡に舌を沿わせて
艶めいた声に身を投げ出そう
このまま傍で熱を感じて
揺らぐ水面に映るその影
綺麗だと囁いて逃がさない
そのノイズ尽きるまで
泡の中で溶け合った人魚姫の如く
愛の奥で濡れて堕ちよう
嘯いて奇跡を祈るのは
もう届かないから せめてこのまま変わらないで
微笑を浮かべる君の面影に 人魚姫が重なった
熱い指先 流れる涙
一体誰を思い出してる
赤い華 甘い蜜
全て俺のものにしてあげる
知らない野郎がつけたその華 俺の赤で塗りつぶして壊そう
このまま傍で熱を移して 動けないようリボンで囚われる
愛してると囁いてくちづけを
君の涙を俺にも分けて
泡に落ちていった人魚姫のように
俺の心に堕ちてくればいい
ただ優しく受け止めて 抱きしめて
命尽きるその一瞬まで 愛してる
涙の雫に感じた刺激は
人魚姫の泡と歌声
欲しいんだ君の全て
その声も笑みも四肢も心も
人魚姫は微笑する 俺の傍で
人魚姫の心は泣く 俺に隠れて
愛することさえ上手く出来ない
俺は王子の仮面被った魔法使い
俺に囚われた人魚姫
泡になんかさせないから
俺の命は君だから


自由詩 狂愛マーメイド Copyright 愛心 2008-12-27 12:48:03
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