螺旋擬
秋也

螺旋階段の上から蹴り落とした靴
最後まで到達するはずもなく
外枠にぶち当たる
これは落ちていると言えるのか
あんたは豊かになるため
何を置いてきぼりにした
疲弊していく
精神が追憶を加速させ
不器用な夕日のように
一定を沈めていく
螺旋階段の頂上を見上げるように
彼の体を隠すべく
バスケットボールを抱きしめた
少年が
公園のリンクに背を向け
そこで待っている
あんたは豊かになるため
何を抱き締める


自由詩 螺旋擬 Copyright 秋也 2008-12-27 00:20:10
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