ブレス
さくら
大きな水槽の中に入ってしまったのは、
久しぶりだった。
そこは、ゆらゆらうごめいていて、
別々の世界が水素と酸素を融合させている。
やさしみの泡は、その中をぷくぷくと
漂っているのに、
息継ぎが、 =呼吸
にはなれなくて
忘れることだけ、覚えていった。
浮かんでは弾ける
けれど、また生まれる
やさしさが生まれる瞬間の、痛み
必要な日常
生まれたての青はにじむはずがなくて、
ぶれているのは、きっと、
わたしなのだろうと、気づく
それでも、
それでも波が
不完全なわたしたちが
大好きだから
もう、裸の呼吸が響きに変わる
泣いたって いいんだよ