接近
えりくさちえい
顔面を押しつける へあごむのわのなかの 果てしない おくゆきに
放射線の彼方から きゅうせっきんする 永久の しょうしつてんと 暗部
めのまえにある 黒々とまとまったつやつやの うちゅうかぶれの 髪の束から はるかな 甘くて苦そうな匂いがする
そうぞうじょうのくろ その匂いに包まれて じゅんばんにきえていく 泡と ほしがみえ 小さな点となっていく
それは 近付けない ぱちぱちとひかる ヘアゴムの輪の奥 もどかしく
邂逅と ふっとただようような どこまでも遠い きりのない 一寸先の宇宙 まぶたのうらのぱちぱち
見え隠れする何ものか
今日まで へあごむのわのなかで 見過ごされてきた ひとつぶのじかんのけいかも 芯も黒さも ぱっとはじける 一つのまとまりになった
ぼくはぐうぜんにも 一瞬で そうぐうする 黒髪に すれちがいざま 絡めとられて
しっこくのかみのたばをもつ 至近距離のきみに おまえに 同化した