slight
唐草フウ

誰もが足早に
小雨模様がアスファルトににじむ街
ぼやけて見える
いや、見てなかった
一人で歩くには この日は 酔いすぎる

風が吹くから
皆脇をしめて塞ぐ
でもその中身は
あったかいんでしょう
私は欲が浅いから
早く往ってしまうなんて時どき思う
イブは嵐だった
深く長く考えぬいたところでいいことは多くない
ぼんやりしたふりをして
人の運びを見る
車道はライトだらけ 渋滞

   
羽根なんてどこにもありゃしない
       羽根をつけているのは私じゃない


何を言っても小さき者の
たわごとは小雨と夜に消えてゆく
  
活気ある夜を越すのが怖かった
今も 今より 幼いころも
誰かが天に召された夜は
眠りにつくのが怖かった

手はいつも つめたくて
誰の手も つなげない
とぎれて
哀しく かすかにほほ笑みが ゆれて
とぎれて









       


自由詩 slight Copyright 唐草フウ 2008-12-25 15:39:09
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