冬の夜
小野カオル

カーテンのむこうの窓ガラスが

いちめんに結露して

ひとしずくがとなりのひとしずくとひとつになり

つるつるとつたって流れおちた

ボトリというおおきな音が

ねむりについた鼓膜をちいさくふるわせる

冷たく湿った空気をあいだにためたカーテンとガラスの

すぐむこう側はもうしんと静かな夜の外気

暗闇をながめながら

空気と水だけが時間といっしょにうごいている

カーテンのかげで



自由詩 冬の夜 Copyright 小野カオル 2008-12-22 23:56:01
notebook Home