海辺にて
小川 葉
水色の目で見つめられると
溺れそうになる
その海を
器用に泳ぐことが出来たのに
今は浮き輪と
シュノーケルが手放せない
また振り向いて
見つめてる
なにか用事があるの
このわたしに
聞けばいいだけのことなのに
溺れそうになる
感覚が心地よくて
砂色の
渇いた目に打ち寄せる
水色の波が目に
塩辛く
しみてしまう
はるか昔
なくしてしまった貝殻を
さがして拾う
手の皺をひとつずつ
見つけてしまうように
南中した
わたしの太陽が今
茜色に
変わりはじめている
自由詩
海辺にて
Copyright
小川 葉
2008-12-22 00:55:12
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