越冬
サカナ

私という存在を前提した
真っ直ぐな主軸



きれいに
ねをあげた
いともかんたんに



コンビニでおむすびを買う
たわむ電線が
痛々しくて
目を瞑る
よる、なので
返事をしてはいけない
それは歩くもので
私は食べ物を食べるもの
常に同じ床に就いて
少しも
ぶれたりはしない
柔軟ないきもの


辺りが暗くなると
あたたかいものを抱えこんで
続きを話そうとしたりする
それがこわいから
こうやって音を出す
じかんをひとつずつ手繰りよせて
予定通りに
いきを、吐く
こつ こつ
たまには
思い出してもいい
曖昧なよるは
それにしてもと思う




快楽、と名のつくものを
信じ込んでいたので
こんなにも遠くまできてしまった


自由詩 越冬 Copyright サカナ 2008-12-21 21:02:47
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