聞こえない音
1486 106

世界の終わりを何度も見た
そこで途切れてくれたなら
傷口は増えずに済んだはず

希望を得るたび怖くなった
うっかり手放してしまえば
誰も差し伸べてはくれない

感情を言葉に出来なくて
伝えられなかった幾つもの思いが
過去の闇に葬られる前に

聞こえない音を聞かせて
言葉じゃなくて仕草じゃなくて
君の本当を僕に見せて



最低な自分を受け入れられずに
嘘を吐くことばかり慣れていった
隠すことで守ったつもりになっていた

拾うために捨てるというなら
これ以上何も望んだりしない
空っぽの心が叫んでいた

模範回答で受け流した
借り物の意志なんかよりも
不細工な涙の方が綺麗だ


聞こえない音を聞かせて
言葉じゃなくて仕草じゃなくて
君の本当を僕に見せて



誰にも頼りたくない時
裸で乱暴なその放出で
ズタズタに切り裂いてくれてもいい

ただ聞こえない音を聞かせて
言葉でもいいから仕草でもいいから
君の本当に会わせてほしい


自由詩 聞こえない音 Copyright 1486 106 2008-12-17 23:30:06
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