象の肌
かとり

黙って 丘を 落下するように
眼をまわして
緑に飲まれていった
蚯蚓の口 蚯蚓の心臓

つやめく嘘は
夜の水飲場
たくさんの手を
切断しました

象の肌を透けて
通りすぎていった綺麗な声は
つちの匂いのする洞窟に
吸いこまれては数を数える

無口になった花の
夢のなかの味が
口のなかで
ひろがる

夕暮れ空に浮かんでいるのは
誰かがかってに終わらせた世界
気がつけば決まって
あなたは再生している


自由詩 象の肌 Copyright かとり 2008-12-16 00:33:14
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