傾いた白い林檎の浮遊
井岡護

                  今
                  見る
                   今
                 見る

          口内の空が
   綿として歩き出す

          人人人人人人人人人
今           苦悩する半回転に
  見る        機を織る今ではない
 今           人人人人人人人人人人人
見る

     とうおらもてじ免→
     す
     る    気が付けば年齢のような
     な

   整列の最中、歯茎が目の
   前の伍長の歯茎が薄白い
   乱視と口論している調子
   で前日比の三厘増を体験
   したという天候の複素数

                ほら

                散開したところで
                散開したところで
                散開したところで


自由詩 傾いた白い林檎の浮遊 Copyright 井岡護 2008-12-15 23:13:54
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