地図の切れ端
秋也

切れ端みたいなものだよ
それは貴方であり
私でもある
片刃が錆びたハサミで
切り離され
記憶
穏やかに
眩く
公園のベンチ
二人で
手をつないで
楽しそうにブランコを漕ぐ小さい子に
見惚れていた
「俺もああだったよ」
飽きず
飽かず
いつまでも
寄りそって
大好きだから
切れ端みたいなものだから
「忘れていいよ」
笑えたことが楽しかった
最後に泣いてくれたことが嬉しかった
全部大切だから


自由詩 地図の切れ端 Copyright 秋也 2008-12-15 21:00:11
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