さっきちょっと
よーかん

兄によると

ボクは垣根のすみのくもの巣を
いつまでもじっと見てるような子供だったらしい

忘年会クリスマス正月となる前に
散髪を済ませておきたくて

さっき路地裏を歩いていた

建物にはさまれた夕空に
ああ綺麗だな以外の言葉を
探しながら

少し前の自分だったら

むやみやたらと
張り巡らされた電線が
夕日に染まるあの空を

ぶつ切りにするとか
なんだとか

路地は虫かご
鳥かごだとか

そんな睨みをきかせた
思考回路を掘り起こしては

さび付いた
空き缶みたいなこの街の風景
だとかなんだとか

ありきたりな言葉に
のぼせ上がって

タバコに火をつけて
ああなんだかな
がパターンで

そこがまあ
居心地良かったんだけど

今日はなんだか
ああ綺麗だなもいいもんだ

そう思えてる
ような気がしている
自分を眺めたりしてみたら

兄の言葉を思い出し

垣根のすみのくもの巣は
ボクにはどんな風に見えてたんだかなぁと

散髪屋でさっきちょっと考えたりした












自由詩 さっきちょっと Copyright よーかん 2008-12-15 19:22:28
notebook Home