彼女の朝
chick

彼女の朝食は
チーズトーストと、シリアルと、サラダ
スライスチーズを乗せたパンをトースターに入れると
シリアルとサラダの準備をする

ある朝
シリアルが10g足りないと
彼女が泣いた

きっと僕が昨日の夜に適当に盛って食べたせいだ

レタスの葉も一枚足りないと
彼女が泣いた

これも僕が昨日の夜に彼女のレタスでサラダを作ったせいだ

どうしようと彼女が部屋をうろついている間に

チン

トーストが焼ける
彼女がその音にはっとすると涙もおさまり
何事もなかったかのように皿にトーストを乗せ
10g足りないシリアルも
レタスの葉が一枚足りないサラダもちゃんと朝食になる

僕は安心した

今日もトースターだけは彼女を裏切らなかったことに



(2008年12月)


自由詩 彼女の朝 Copyright chick 2008-12-15 15:02:27
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