キャラメルミルクプリンパフェ
かんな

ピンポーン
とチャイムが鳴る
あなたの顔を思い浮かべる
シャワーを浴びたばかり
少し濡れた髪を
わしわしと
拭きながら玄関へ向かう

早いね。
そうでもないよ。
左手でタオルをわしわし
右手で携帯をチェックする
「これから行くよー」
というメール
一時間前か
確かに早くないね。

チョコシガレットが
買ってあって
冷蔵庫の中
あなたの好きなもの
スーパーやコンビニで
わたしが探すようになったこと
気づいて喜んで
ありがとう
と言ってくれる

キャラメルミルクプリン
食べたくて素を買ってあるんだ
子どもみたいにはしゃぐ
あなたとわたし
生クリーム、チョコシロップ
いちごとバナナ
トッピングはこれくらい

素と牛乳を入れて
火にかける
沸とうしたら一分弱火
あとは冷蔵庫で固まるのを待つ
そんな二時間
ベッドであなたとわたし
抱き合いながら話をする

ぷりんみたいに
冷やしたら固まる
愛ってそういうものなのかな
なんて真面目な顔してわたしが聴く
ねぇキスすると
ふわわわぁ、って顔するよね。
笑いながらあなたが言う
ごまかされてふくれっつら
ふいにほっぺたを押されたから
ぷしゅーってなる

ボールに固まった
キャラメルミルクプリンをすくう
グラスの一層目にプリン
二層目にいちご、三層目にクリーム
そうやって、
六層目くらいにバナナ
てっぺんには
チョコシガレットを二本さして完成
その名もキャラメルミルクプリンパフェ
十回も言ったら噛みそう

あたたまったら
また溶け出すんだろうか、愛ってやつ
そんなこと考えながら
二つに並んだパフェ
その片方を食べるわたしの
頭をぽんぽん
あなたいつもそう
言葉より先に
手のひらで答えるみたい

あなたに抱きしめられて
あたたまった
わたしの愛ってやつ
溶け出して、溶け出して
そんなとき
あなたいつも止めどないキスをする
まるでそれを
ぜんぶ受け止めるみたいに





自由詩 キャラメルミルクプリンパフェ Copyright かんな 2008-12-14 00:57:52
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