クリスマス・ナイト

ちいさな町のあちこちに
狂ったような橙色のあかりが灯る 
天使がベッドシーンを覗く夜


(こんな粉雪の舞う晩は
殺人鬼がやってくるんだ
もろびとこぞりて唄いながら
殺人鬼がやってくるぞ
知ってるかい?
サンタの服が真っ赤なのはね…) 

(やめてやめて!)

(くすくす
我らが偉大なるコカコーラのおかげだよ)



オー、イエス。
あの愛おしくも邪悪な色をした
甘すぎる炭酸飲料で乾杯だ
こんな粉雪の舞う晩は
大人が子供に還る倒錯

ぼくらの資本主義に、乾杯
ぼくらの白痴美人に、乾杯
偉大なるぼくらのカーネルサンダースに、乾杯
顔も知らぬぼくらの神様に、乾杯


あまねく全てのひとびとに
どうか108個の不幸せを

あまねく全てのひとびとに
どうか109個の幸福を

どうか全てのひとびとに
このつめたい雪ほどにひとしく平等に
ふりそそぎますように


自由詩 クリスマス・ナイト Copyright  2008-12-13 14:16:31
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