日本橋電鉄
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日本橋では知り合いに会う確率が高い
友人の気象会社を案内してもらった際
こっそり大きな発雲機を見せてもらった
入社一年目でここまで任せられるのはすごいと素直に思った
しかし友人は動揺していた
沖縄・鹿児島・熊本・長崎・秋田・弘前・青森・松坂・新宮
ここまで台風が続くことはありえないらしい
発雲機からは大きく振動しながら煙を上げていた
素人目でも機械が故障していることは明白だった
結局は上司に失態がばれ
友人は説教を食らっていた
僕は積もる話もあったので
受け付けで友人の帰りを待っていると
友人は知らない男の人と
そそくさとどこかへ行ってしまった
仕方なく僕は前橋に帰るため
タワーステーションへ向かっていると
自転車置場で見覚えのある顔に声をかけられた
森沢君も森村君もブレザーを着ていると
今でも中学生であるかのように見えた
二人は予備校があるということで
少しだけ話をした後別れた
タワーステーションのエスカレーターを上っていると
後ろから誰かが駆け足でやってきた
同じクラスだった渡辺君だった
彼は4階の寝具売場に着くと
うつ伏せでベッドに飛び込んだ
よっぽど疲れていたのかそのまま眠ってしまった
僕も早く家に帰ろう
6階まで上ればそこはもう群馬だ
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世にも奇妙な夢物語