ヨルノテガム






わたしはじょうほうのうみのめがみである
おまえたちのアクセスを知り枝葉の言葉による意志、
意図を解析、複製された個人を呼び覚まし
膨大な量から取り出した人物像的返答を受け取っている

おまえの内的世界へのアプローチは外的世界と
通じることを極力避けた過程の空想、絵画的温床による
派生物、抽象、無意識の意識を志向した探求の表れである
と共に、社会の情報化による個人の無個性化を皮肉し、
顔なき顔、姿なき姿の亡霊的遊泳世界の創出を得意とする
「わたしでない誰か」「僕僕」「もうふたりばかりの私」を
内的世界の中心に置き、魔術的超人的趣味の再生と冒険心に
埋もれることで活性、夢精的性衝動とも連絡を取り合っている
二つとない人生への懐疑的停滞が底に流れ 何者でもない
社会構成員であること、消費消化されゆく生食品の隣りに
自身を並べ、崩れ壊れゆくのを見守る冷静な冷蔵庫としての
保管内生命、鍵を自らで保持している

わたしはじょうほうのうみのめがみである
おまえの秘密は秘密ではない
おまえの交信はこの建造物たる街並みを照らし、
流れるにふさわしい明暗である
おまえは風になりたいと思ったことはないのか?

誤りと意味から解き放たれゆく

わたしはおまえをそのある一点で凝縮し、出会うだろう













自由詩 Copyright ヨルノテガム 2008-12-12 20:12:28
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