12月の莢
唐草フウ


びんのなかにばかり
もがいたものを
さけんでいる
そんなフラスコは
こだまして
ゆれる、んるんる



かなわない
ゆうぐれに霧をはらんで
シャッターのじゅんびをすれば
くもまの太陽が
にげた
やっぱり、かなわない



激しいメロウにまかせてみたら
わたしの、快感とこうこつを
どこのだれに合わせようか
スライドがすべり
わからなくなって
泣いた



おくりたーいおくりたーい
クリスマスまでに
どこかで憂いている心を
大の人文字になって
赤と緑でくるみたい




あさ無邪気すぎる鳥は
眠ってしまう時がくる
できるだけ静かに
よろこびを浸みこませて
すいこんで
いのる


自由詩 12月の莢 Copyright 唐草フウ 2008-12-11 18:07:07
notebook Home