怖さとわたし
暗闇れもん
人がこわいのに恋することをやめられない
触れられるのがこわいのに求めることをやめられない
自分を欺くことに慣れていて元気なそぶりくらいできる
こわさが音もなく背後から忍び寄ってくる
抱きしめられて
幸せと同時にやってくる震えるようなこわさ
いったいいつになったら
このどうしようもないこわさと戦えるのだろう
いつまでたっても繰り返し
生きているようで生きていない
この抜け殻にわたしはいつ帰ってくるんだろう
わたしはどこかへいってしまった
ここにいるわたしはただこの体を見守る番人で
わたしではなかった
人にばれることがこわい
近寄って話して
彼らはいつか気づくだろう
わたしが抜け殻でありわたしではないことに
いつか抜け殻のわたしは世間から離れて
こわさと二人で丸くなって眠るのだ