雪待ち
いのせんと


濡れたアスファルトの上
過去も未来も流れていく

反射して見えたのは
あの日の
小さな嘘だけ

温もりを忘れた右手が
所在無く揺れた

繋がれなくなった指先
ゆびきりは
もう、できなくなって
守られなかった約束は
なんだったっけ?

嘘も本当も
思い出も、希望も

全部、全部

いつか降る雪に
埋もれてしまえばいい
そして、見えなくなってしまえばいい
見えなくなって・・・

全部、無かった事にすればいい

そう・・・
できたらいい


自由詩 雪待ち Copyright いのせんと 2008-12-10 23:42:39
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