花と羽
木立 悟
光にまぎれ
冬にまぎれる
ひとつひとつ
空に満ちる
花のかたちの水
ひらこうとする指さき
指さきは 指さき
雪になり陽になり
見えなくなり散らばる
見えないもののまぶしさ
さらに遠くへ追いやられる
地に臥しながら
曇になりながら
撒かれている
撒かれている
雨に触れては昇る
青い円 451
知らぬ間に肌につけられた
花の名前
終わりのないかたちの菓子を
片方の指に回しつづける
かげろうの
金と緑を聴きつづける
自由詩
花と羽
Copyright
木立 悟
2008-12-07 19:29:00