準備に
井岡護
点滅する上り坂を食い破れ
点滅する男とは
反転した河馬のような鉄琴
変わり続ける右腕の子供部屋
半減期と牢屋に溶けた虹
悲しいという意味をした鋸鮫
点滅する上り坂の義肢
【平行線が半月に見える昼間に
彼は酵母として銀盤に熱で
牛皮や訴訟を描き続けていた
のだ
ろ
うか】
※ 卵という文字が入るには
あまりにも小さな砂漠
あるいは鉄
群青色の砂糖に埋もれた
毛深い目薬を常に必要とする
島国に於いて語られる象に似た
そのような鉄
自由詩
準備に
Copyright
井岡護
2008-12-07 00:24:05