言葉が一人で歩いている
結城 森士

本当だ
雨が降っている

暗い夜道が暗くて
怖い雨が降っている
雨だ

何が…何だった…
そうだ
リアリティ
白い霧のような
人の形だった
何が起こった…

黒い雲が
湧き上がる
嵐が
青い屋根の洋館を襲う
雷が
法衣を照らす
黒い雲が
蠢く
あなたはあなたのままで良い

おはよう

ベッドは白いシーツをまとって
か細い手足が、水気を含んだ白い肌が
あなたの心を水のように潤す

おはよう
また
朝か…
もう、朝か…

雨が降って
雫が落ちる
やがて…
やがて…
やがて…
やがて…
やがて…

あぁ、夢か
あぁ、夢だったのか

もう、朝か
もう、朝だったのか

また、夢か
また、夢だったのか

暗い、夜道を
傘を持って一人で歩いていく
夢だったのか


自由詩 言葉が一人で歩いている Copyright 結城 森士 2008-12-06 01:03:25
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