おにぎり娘
m-rod

塩っ辛くて脂ぎった毎日を
和らげてくれるおにぎり娘
人生の食卓はバランスが難しくて
日替わりメニューに戸惑っていた
だけど
ふたつの味がよく会っていたから
なんとか丸く収めてゆけた

「よく噛んで」
君がひとこと粒やけば
「come」
僕はただ求めるように、素直に答えた
火傷?
ふたつの手は濡れていたから
そんなものと無縁だったな

早稲田通りを歩いていく
一歩一歩が頼りなくて
手をにぎり
心をむすび
やっと
ふたつの影がひとつになった
それはそれは、独特の形で

由来は頬の膨らんだ顔
「オニー」とからかえば
本当に鬼のような顔
どちらでも彼女で
中身なんて無くてもいい
地面には ひとつになった影
海苔に乗って歩いていた

レタスが好きで
朝食はクロワッサン
和風とは縁遠く
似つかわしくは無いかもしれない
それでも独特の形は
今も昔も変わらない
蒸せ返るような人の中

転がっていく、米ガール


自由詩 おにぎり娘 Copyright m-rod 2008-12-05 20:00:28
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