18時への旅
K.SATO

プラスチックは
つながれておらず 長らく
鳴っていない ほこりをこぶった
寂しい電話機

ああ
最寄り駅から自転車なので
帰るのは大変だろう

汚らしいが 清く
縁に茶色が残っている
タブが開けられた 缶コーヒーは
役目を果たしたその姿

きっとすべてが 終りを待っている

隣では上司が仕事に励んでいる
さぼっている僕に気づいていない
時折何かをぼやきながら
キータッチが改行を叩いた

雨の音が響いている
モニタは17:00を回っている
Fri day
いつもより声の高い
ラジオのキーが混ざっている


自由詩 18時への旅 Copyright K.SATO 2008-12-05 17:12:27
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