零雨
こしごえ
あをすぎる(遠いおもいでの予感
日輪のうるんでしまう
空ろなカラスアゲハの羽音に
さようならを果たすべきころあい。
水影かしぎつづける岸のほとりを
黙礼する雲の視線は
暈の鎖骨をすすみ密やかなアイロンの血判に降る
いけない
みちるしずけさ(です
いつかしら
私とめぐりあわなければならなかった私
いずれにせよ
つみとれない亡霊果実
黙秘する雲の
生あたらしい視神経から零れしたたる。
宙のすくいあげる深いまなざしにふちはなく
死であろうともこの魂をうばうことは出来ぬ
ひっそりと 青葉のゆれる 波紋の 縁の ないように
まだである
ふりかえればあわくにじみ
すべて一瞬にして過ぎ去る
いまだ(。いまがある
いついつまでもあおぐ私をいちわ舞う
つむる(水の軌跡の
決して帰れないふるさとを出港したいわふねの羽を
ひるがえす沈黙にうかびあがる。静脈を
ねむる血群青にそまる雲影
有形の門を通り映じる私 ひとりあやとりをする
しみこおる火をわたる素足
いちじょうのひかりによみがえるいのり
ここにある。
ただよう流れの静かないつくしみを忘れず日影を暮らし
死をふくみ生は口をすすぐ
絶えまなく黙識する孤独なロンドの
息継ぎをする幽かなかなしみの音階を
ふるふるとすべり上がり羽音は透けて
密生し律動する))))青雲と なり。
むすび
果てしない終りをえる
さようならと あをい視線の先に花は しん と咲いている、