空
佐藤伊織
いつかみたのは幻なのか彼女の手を
握った夢をみた
夢をみた
小さな手 空
澄んでいた
蒸気があの空中を縫って漂うように
あの頃散っていった一つ一つ
澄んだ空に散らばる小石を拾う
それはどこまでも小さい扉を開け続けていく行為なのだろう
小さな扉の先に ひらひらと舞う腕がみえる
夢をみた
俺は拾った小石をポケットに詰め込んで
冷たい空を開き続ける
自由詩
空
Copyright
佐藤伊織
2008-11-30 14:02:04
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さみしさの詩集