風船
透明な魚

見上げれば青の空に風船群
溢れ出す色が
僕を立ち止まらせた
空に向かい空に消える
風船が空に沈んでいく
空に水底の様な深さを感じる


風船がその存在を表すように
僕の存在は目に映る
僕を見つめるだれか
僕に呼びかけるだれか
僕を引き止めるだれか
僕が生きるすべては
どんな些細な事であれ
誰かに何かを
与えたり
奪ったり
生きるというのはそんな事


風船が割れてしまえば
目に見えなくなり
追うことができなくなる
しかし『それは』
依然として存在はしているのだ
見ることが出来なくなっただけで・・・
人が生きるというのもそんな事
死は人を見えなくする
想いは透明色だから


生きる事の素晴らしさは
その影響力にある
血や肉は影響力を示している
僕が力の限り叫ぶ事で
世界はほんの少し目を覚ます
想像力とは
創造力とはそんなもの
馬鹿げたものであるのかも知れないけれど


風船は空に沈んで・・・
僕は再び歩き出す
想いが誰かに届く今だから
僕は
(風船がそれ故に空を目指すように)
僕も
何処までも遠く
遠く歩いていこう
誰かが僕を・・・
僕を見つめて
世界の色に気づく為に



自由詩 風船 Copyright 透明な魚 2008-11-30 09:23:19
notebook Home 戻る