【短歌祭参加作品】後は野となれ夢となれ
木屋 亞万



超高級種も仕掛けもないビーフ舌でとろけて尻で固まる


夏前の視覚の審美報告を受けて腹へと指令が出された


バイオロボ最新鋭の内燃機にんにく2かけ鼠径に充填


縫い上げたスリーピースに拍子抜けミシンはベースとギターが恋しい


毛先燃え熱く散りゆく血を拭う右手の甲に鼻血一筋


精神を剃髪された処女の群れ荒ぶる神を見下げて歌う


二つ星まぶたをぐっと押し上げる夜色ガラスの釦の瞳


午前2時砂糖の塚が悲しくて濃いコーヒーに溶かして啜る


東京があと五つほど増えたなら三つ目くらいに住もうと思う


間違いが丸になるまで色を変え採点してた先生の虹






短歌 【短歌祭参加作品】後は野となれ夢となれ Copyright 木屋 亞万 2008-11-29 01:00:38
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
ミソひと文字