二人
K.SATO

人々はあふれをあふれかえられた浴槽に浸かっては流れ
水のあふれた 君は強く僕に手を突き差した

浮浪者たちの上を、
老人たちの上を、
色彩の 音が散らばっている
朝の 微笑みの メロディーは線
パレットに音符が描き
浮浪者たちに波し
もやりと沈む
散り

砕けた
ガラスの散らばった並木で
イチョウの形を浮浪者に書くノートの線に
敷き 眺めている僕のノートブックは文字を横に
「人あふれが今日も流れていくよ」と サインする

いくことこそ建つビルだ
とあふれている声たち
人だかりにあふれて路地は道をあふれ
ジュースにチリと霧を浮浪者の背中に陰り
溝の光彩を微細な風船をダンボールハウスに
浮かぶ胞子や肥料の叫びにああ 僕は土台になる

黄色やベージュに
うっすらに和紙の手は
もみじは一本の上にかすむ線
パーマにした一本を奏でるギター

ネックとピックアップのラインを人はあふられた僕らを落ちて
アコギを君がでかい声を出して弾いていても
喉は枯れたが人あふれが今日もの二人は手をつなぎあい
鎖の手のとき人あふれに突き
朝の 微笑みの しわにそって
引いたペンの詩を手に寂しさで 文が
詩の絵画にあふれの
あぶれに君は強く
僕に
手を突き差した

あふれ
流れ人が今日も流れていく 水
僕は詩を書き
君はスーツを着る
グレーの光が 広場全体に強く降り注いでいる

さようなら


自由詩 二人 Copyright K.SATO 2008-11-28 01:33:27
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