揺らめく
みお



 こばむように
 ゆれていたんだ


ある日
あなたの繊細な肌にふれて
かみさまをはじめて
尊敬した
とくん、とゆれる
脈を
にんげんのものだと、おもえなくて
いちにちも ふつかも、わすれられなくて


 ゆれていた


みっかめのよる
ゆめで
海のおくふかく
さみしさをまぎらわす
あなたのおもかげを
みた気がした


きっと、

わたしたちは
はいることのできない
おかすことのできない
いっせんのまえで
うまれたんだろうね
産み落とされたとき
だれかがながした涙で
いのちを
さずかったんだろうね


確かにわたしたち、こどくを知っていた
それと同時に、
かみさまにもらった
涙腺や神経で
身体をあたためる術も 教わったはずだ


血圧をはかるために
ふれたはずの細いうでに
誘惑されてしまった、あの日のままの
わたしたちが
とくんと、ゆれる






自由詩 揺らめく Copyright みお 2008-11-24 10:54:12
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