僕/君/僕と君
nonya

「僕」

僕が僕である認定書を落としたのは

早春のこそばゆい若葉の中

僕が君でない証明書を探していたのは

初冬の血の気の失せた枯葉の下



「君」

地方都市のヤンキーだった時の君のニオイは

君が特定郵便局のマドンナだった時も

君がスキー場で拾った天然果汁だった時も

僕の海馬にまとわりついて離れなかった



「僕と君」

僕の「好き」と君の「好き」の

微妙な響き方の違いを

ハーモニーだと錯覚してしまう

そんな病気をずっと患っているらしい




自由詩 僕/君/僕と君 Copyright nonya 2008-11-23 11:47:32
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