濡れる
光井 新

思うところ
わたしにとって
手は、わたしの手


いつからか、この白い手が
小さいと知ったのは


知らなかった

やわらかな
ピンク色の

教えてくれた

血が通う


あんなにも
眩しかった
(キえた
白熱灯の下の


ちいさな
わたしの)
浮かぶ、この海に
溶けた海月
見えないけれど、きっとピンク色で
見ていたのではなくて
ふわり
見られていた

キレイだねって言われて

今までのは、ニュートラル

未練は無い

それはわたしにとって


わたしの腕とは違う
確かな力強さ

しがみついていたくて

生命の
存在している様な
広いあの人は
ふりほどいた
煙の中に消えて

今はもう
歯車のズレた幽霊



など、と
頭を使うのは、やはり苦手で。
身体を使いたいよ


綺麗だったね
一人で冬の海を眺める、この季節は24時間入れない。ながらも
しかし、たられば

酔ってるのかにゃ?
波が、だけど。


自由詩 濡れる Copyright 光井 新 2008-11-22 03:09:49
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