夜星列車
さくら

列車の窓が
長いネックレスのように煌き
横たわって走っている

街はもう影を落とさない夜更け

きみがほら、こころ震わす音楽を
あなたがほら、光り輝く宝箱を

見つけて、染めて、頬を、そして、


他愛もない車のライトに
反射する一片一片のカケラを
空に満たす空席を見つけて、
ついに切符をきみに渡した

地上のぬくもりを
背中に乗せて走る列車は
不規則な共鳴線で

星の反射を動力にして
時に涙を動力にして

夜空という名の宇宙に散らばって
瞬く宝石の一つとなる

あなたもわたしもなくなって
しろもくろもなくなって

ちんもく


水の国には道が通り
それはまるで人のからだを巡る
血管のようで、隅々まで走るライトを
眺めていたら、ゆめ、夢が、
わたし何をしていた。

隣で寝返りをうつあなたは
夜を呼吸して


わたし、きっと
沈黙を愛する


自由詩 夜星列車 Copyright  さくら 2008-11-21 22:54:17
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