モノクロ眼鏡
さくら
わたしの枕元に
秋が沈む
繰り返される朝と夜の狭間で
少しずつ吸い込まれていく夢は
ふゆ色に染まり
朝、白い朝を始める
日々、零れ落ちる感情たちは
ばらばらに敷き詰められていて
白と黒の模様になった夜に
再び返してくれるから
また、泣きそうになる
今夜もハラリ、ハラリ
寒気が木の葉と踊っている
窓の外を眺める黒猫は
鈍いゴールドの瞳を輝かせ
狙いを定めている
きみのその瞳の先には
モノクロ世界が広がるから
虹の色でさえ、ただ一つの
空の汚れでしかなくなってしまう
季節を覚えながら
誰かの足音を辿っているきみは
自らの色に振り返るのだろう
ごろごろと
上手に甘えながら