ぱくぱく
因子

あたまの傷のことや
からだの傷のこと
目のなかのぐるぐるの暗がりのこと
そういうことを口に出すのは
醜くていけない

たたかうこと
負けを肯定すること
生き抜くこと
まぶしい、
とても眩しいこと
私のあたまに咲いた
大きく下品なお花を枯らす
とても眩しいものが

あたまの中を照らしてしまう
誰も覗かないのに
覗かないでと両腕を振り回しながら叫ぶ
誰も聞いていないけど


言いたいことがあるときばかり
この口は開閉以外になにもできなくなる

役立たずと呟いた
私にしか聞こえなかった
それでよい筈だ
それでよい筈だ


自由詩 ぱくぱく Copyright 因子 2008-11-19 00:11:18
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