早帰りの詩
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すっかり日が落ちるのが早くなった冬のある日
フレックスタイムで足早に職場を後にする
駐車場から見上げた薄暗い空に浮かぶ夕陽
そんな何気ない景色を詩に書き留めよう
奇跡と呼ぶには少し大袈裟で
偶然と呼ぶには勿体ないような
日々の暮らしの中に溢れている輝きを
見落としてしまわないように
いつもより仕事が長引いた年の瀬も近いある日
会社から出た時には辺り一面が星の海
凜とした空気に佇むオリオン座
そんな何気ない景色を詩に書き留めよう
言葉に出来ない思いがあるから
言葉にしたいという気持ちが生まれる
心が呼吸を続けるかぎり
人は何度でも詩人になれる