林檎の転生
服部 剛
PC画面の暗闇で
林檎が独り
浮かんでいる
紅い皮の傷口から
白い肌を晒しながら
( 昔々、楽園にいた
( アダムとイヴを誘惑した
( 私は紅い林檎です
傷口を開いた林檎は今も時を越え
場末の路地に生ぬるい風の吹き抜ける
2008年のネオン街を行き交う
ヒールを履いた女の
肌蹴た胸の内に転生している
自らの居場所を探しあぐねたまま
宇宙の闇の広がりに
只独り浮かぶ
紅い林檎
白い果肉を晒した
薄い皮の傷口から
いつまでも語りかける
冷たい愛の言葉
自由詩
林檎の転生
Copyright
服部 剛
2008-11-18 01:36:05
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