untitled
かとり

雨をくぐる
ぼくはゆっくりあっちのほうへ
大音量の歌は最小限の寝返りで
あたらしいノートのちいさな日付はささやかに
送ってしまったメールを
残ってしまった花火を
けぶってしまった青空を
とじた瞼も
いっぱいに閉じた

遊歩道はいっぱいにふくらんで
そしてぼくは雨をくぐる
ポケットにいっぱいの
ズボンをずらしたら
またゆっくりと
そっちのほうへ
ずれていく
今から


自由詩 untitled Copyright かとり 2008-11-16 23:41:04
notebook Home 戻る  過去 未来