池中茉莉花

めざめると 小学校のチャイムが聴こえる


そしられ れらしそ しそられ れらしそ


ぼやけた頭は 過去にゆく

あれは わたしの おもいこみ
せんせいは わたしを いじめたりしなかった

そうだ、そう
わたしがわるいこだったから
しっかりしていなかったから
こんなひとが図書委員でもいいですかっていったのは

そうだ、そう
わたしのいじわるなかんちがい
せんせいが賞状を教卓にかくしたって


そしられ れらしそ しそられ れらしそ


気がつくと そばには
口と鼻が わたしにそっくりの
男の子
わたしの胸におでこをつけて
くぅくぅ寝ている

つむじの毛を すこしだけ
くちびるで 齧る

きずつけられたくない
この子は
誰にも


そしられ れらしそ しそられ れらしそ


あたらしい一日が はじまる


自由詩Copyright 池中茉莉花 2008-11-16 10:18:44
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