バーコード、河原のとある一つの石に
海里

砂漠ならばいい
砂漠のヒキガエルのおなかにシリアルナンバーが
シリアルナンバーがあったというならあったのだろう

日曜日、遅い夕方
ふと目をやった河原の石に
なぜバーコードが貼られていなければならないのか

大勢が週末に訪れて立ち去った石ころだらけの河原の
どこに何のレジがあったというのか

レイチェル、ラケル、誰か未来の君たちが
何の変哲もない安山岩まで
安産か何かのお守りに買いつけるつもりだろうか
アンドロイドたち
人間たち

電気羊だけでは足りずに
ヒトであることの証に


自由詩 バーコード、河原のとある一つの石に Copyright 海里 2008-11-15 21:24:02
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