半自動
kauzak
高崎線のドアは必ずしも自動じゃない
特急/快速の待避で5分停車ともなると
駅に着いてもドアが開かなくて
都心の電車に乗り慣れている人が戸惑って
ドアの前で立ち尽くしてしまう
開閉スイッチは右横50センチの処にあるのに
なかなか気付くことが難しくて
ドアの脇に座っている人がさりげなく
ドアを開けてあげることもある
(その光景は優しい。けれど気恥ずかしい)
立冬を過ぎると風は日に日に冷えていく
朝の通勤列車に待避駅で乗る人も降りる人も
暗黙のルールを承知しているかのように
開閉スイッチを押してドアを開けてまた閉める
特急が追い抜いて行くとドアは自動に戻って
一旦すべてのドアが開けられる
発車まで開いている時間は30秒もないのに
吹き込んで来る風が冷たくて足元が冷える