半自動
kauzak

高崎線のドアは必ずしも自動じゃない

特急/快速の待避で5分停車ともなると
駅に着いてもドアが開かなくて
都心の電車に乗り慣れている人が戸惑って
ドアの前で立ち尽くしてしまう

開閉スイッチは右横50センチの処にあるのに
なかなか気付くことが難しくて
ドアの脇に座っている人がさりげなく
ドアを開けてあげることもある

(その光景は優しい。けれど気恥ずかしい)



立冬を過ぎると風は日に日に冷えていく

朝の通勤列車に待避駅で乗る人も降りる人も
暗黙のルールを承知しているかのように
開閉スイッチを押してドアを開けてまた閉める

特急が追い抜いて行くとドアは自動に戻って
一旦すべてのドアが開けられる
発車まで開いている時間は30秒もないのに
吹き込んで来る風が冷たくて足元が冷える


自由詩 半自動 Copyright kauzak 2008-11-14 23:51:09
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