小児喘息の夜
氷魚

点滅、点滅。

呼吸が止まっても
慌てなくて良い
大丈夫だから

背中を丸めて
次に膝を抱っこ
そうすれば
温めておきたいもの
冷たくせずに
すむんだよ

膝とおでこをくっつけて
ゆっくり目を閉じる
ゆっくり思い出す

からだの真ん中が
電球みたいに
ゆんなり発熱する
緑色のランプが点滅

息を吸ってごらん
わかるかな
溜息の反対だよ

僕はこの呼吸を
大切にして生きていく
リズムが不安になったら
背中を丸めてみる
ゆっくり

点滅、点滅。


自由詩 小児喘息の夜 Copyright 氷魚 2008-11-13 23:07:21
notebook Home 戻る