ガマンだらけの優しさになってしまったな
うおくきん

うんざりした顔も素敵だね。

切れた顔も素敵だね。

泣いた顔も素敵だね。

とでも思わなきゃ一緒にやっていけないよ。

羨ましい、人の悪口で笑えるんだね。

僕も合わせて、悪口言わなきゃいけないの??

僕も合わせて、笑わなきゃいけないの??

僕は合わせないで、無表情にしてみた。

そしたら、君は切れた。

やっぱりね。

反応が手に取るようにわかるよ。

君は単純でコントロールしやすい。

あれれ、ソレが魅力だったはずなんだけどなあ。おかしいなあ。


バジリスクのような猛毒ばかり吐いて、自己嫌悪にならないのかな??

なる子ばかり見てきたけれど、君はならない。

すさまじく固い精神力。AC-1000!!!!

ある意味凄いこと。攻撃が最大の防御らしい。

あれれ、ソレが魅力だったはずなんだけどなあ。おかしいなあ。

でも、恋人らしい僕を傷だらけにしてなにが楽しいの??

頭が痛いよ。心が歪むよ。顔が無表情。

僕は廃人になる前に君から逃げることにするよ。

ゆっくり確実に優しく残酷に、この猛毒でつながった絆を断ち切ろうと思う。

ゆっくり。ゆっくりね。

電話もメールも減らそう。

逢う回数も減らそう。

僕の反対意見も言ってみよう。

会話の方向性も変えてみよう。

まあ、そんなことで君が変わるはずがないのはわかりきったことなんだけどね。

君の猛毒はカチカチに固まってしまっているものね。

今日は最後の日だ。

いつものように泣いてもダメ。

いつものように自虐しはじめてもダメ。

いつものようにぶち切れてもダメ。

僕に「情」はなくなった。

ただ、頭をゆるやかになでてあげることだけしかしてあげられないよ。

それだけだよ。僕の最後の優しさだよ、今はもうガマンだらけになってしまったけどね。

あれれ、ソレが魅力だったはずなんだけどなあ。おかしいなあ。

まあ、君のことが好きだったっていう、過去の狂った純粋な感情の証さ。

「あたし、Yのこと、傷つけた?? なにが悪かったの????」

そんなこともわからない君の無邪気な残酷さが僕を最後の最後に一番おもっきし傷つけたよ。

何回説明したのよ、何回イヤそうな顔したのよ、それでも君は変わろうとしなかったじゃないか。

さよならら。

さよならら。

まあ、傷は癒えるものだ、僕は療養期に入ろうと思う。

君も療養期に入っておくれよ。病後しばらくは安静にね。

とち狂って堕ちちゃダメだよ。強そうには見えるんだけど、いつもギリギリな君は意外と簡単に壊れそうだなあ。

それだけが本気で心配なんだ。心配だなあ。

僕に「情」はなくなった・・・わけではないのか。

でも、僕はジル・ド・レのような鬼畜になるしかない、自分が大事だから。

僕の人格が、君の猛毒で汚染されていくのにもう耐えられないんだ。

涙も拭かずに、さよならら。

笑顔を作って、さよならら。

感謝を忘れず、さよならら。

想い出殺して、さよならら。

とにもかくにも、さよならら。


自由詩 ガマンだらけの優しさになってしまったな Copyright うおくきん 2008-11-11 01:58:29
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